海水魚・淡水魚の浸透圧の違いについて

海水魚・淡水魚の浸透圧の違いについて

浸透圧とは何か

浸透圧とは、濃度が異なる2種類の水を隣り合わせにした場合、両方を同じ濃度に保とうとして水分が移動する力のことです。

海水と淡水の浸透圧について

海水と淡水(真水)では「塩分」の濃度が異なり、塩分濃度の低い真水が塩分濃度が高い海水の方に移動していきます。

海水と淡水の塩分濃度の違い

海水:3.0%
淡水:0.0%

淡水魚と海水魚の体液の塩分濃度の違い

淡水魚の塩分濃度:0.6%
海水魚の塩分濃度:1.2%
人間の塩分濃度 :0.85%(おまけ)

淡水魚と海水魚の塩分濃度の関係

淡水魚 > 淡水
海水魚 < 海水
人間 > 淡水
人間 < 海水

復習ですが、浸透圧によって塩分濃度の低い真水が塩分濃度が高い海水の方に移動していきます。

淡水魚と海水魚の浸透圧について

淡水魚の場合

淡水魚の体液の塩分濃度より淡水の塩分濃度が薄いので、浸透圧によって淡水が淡水魚の体内に入ってきてしまいます。

その為、淡水魚は体内に入ってきた淡水を、腎臓で処理し必要な分だけの塩分を吸収して、大量の尿を排出する事で、淡水魚内の塩分濃度を調整して生活しています。(淡水魚の浸透圧調節機能)

淡水魚は体内から塩分を逃さない機能を持ちます。

海水魚の場合

海水魚の体液の塩分濃度より海水の塩分濃度が濃いので、浸透圧によって海水魚の水分が体外に放出されてしまいます。
その為、海水魚は海水を飲んで腸から必要な分だけの水分を吸収して、不要な塩分をエラや尿から排出します。(海水魚の浸透圧調節機能)

海水魚は体内から塩分を排出する機能を持ちます。

海水魚を淡水に、淡水魚を海水に入れたらどうなる?

淡水魚が海水で泳いだら?

淡水魚を海水に入れたら、塩分濃度の低い淡水魚の体液となる水分が塩分濃度が高い海水の方に放出され、脱水症状を起こして死んでしまいます。

そんな海水魚が淡水で泳いだら?

海水魚を淡水に入れたら、塩分濃度の高い海水魚の体液の中に、塩分濃度が低い淡水が吸収され水で膨張して死んでしまいます。

調理の場面で活用される浸透圧

魚に塩をして水が出るのは、解けた塩と魚の内部の塩分濃度が異なるため、浸透圧によって魚体の中から水が引き出されているためです。

また、調理する前に魚に塩をすることで魚の身にハリが出るのは、水分が抜け出た後に細胞膜が塩などを通す状態になり体内に塩が拡散して、筋肉を作るタンパク質が溶けて、水分を多く保つようになるためです。

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